少年おやじ投稿日:2012-05-01 Tue

( イヴの総て / 1950年 左からアン・バクスター、ベティ・デイヴィス、マリリン・モンロー)
映画の冒頭から
―― ピューリッツア賞や映画賞のようにいかがわしくない
と、始まるこの作品。いかがわしいのがアカデミー賞だということぐらい映画ファンなら知っている。最もどこかの国では、年末、売ってもいないレーコードに落ちた権威を授与する賞もありますが……。
1950年、その「いかがわしいアカデミー賞」で作品賞のほか六部門を受賞してしまった「イヴの総て」。
男女雇用機会均等法すらない時代に、一人の女性がスターにのし上がってゆく物語。女優どうしの嫉妬心がぶつかり合い、セリフの一つひとつが皮肉に満ちて、ハリウッドを十分意識したブロードウェイの裏側を描いたハリウッド映画。
脚本家は、演出家役のゲイリー・メリルに「ザナックが待っている」といわさせる。
ザナックとは、この映画の製作者であり、20世紀フォックスのトップにしてシャンソン歌手のジュリエット・グレコを愛人に持つダリル・F・ザナックがその人。
イヴに主役を奪われるマーゴ役のベティ・デイヴィスは、映画の撮影中に恋人役のゲイリー・メリルとデキてしまい、無名だったマリリン・モンローは横目でスターの地位を狙っていた。虚構と現実、はたしてどこまでが映画でどこまでが現実だったのか。
監督 ジョセフ・L・マンキーウィッツ
脚本 ジョセフ・L・マンキーウィッツ
製作 ダリル・F・ザナック
出演 ベティ・デイヴィス / アン・バクスター
配給 20世紀フォックス
公開 1950年10月13日
イヴの総て
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少年おやじ投稿日:2012-04-20 Fri

( 會議は踊る / 1931年)
今冬に観た映画で一番古いのは、今から80年前に作られ、200年前のウィーン会議 (1814年) を舞台にしたドイツ映画の「會議は踊る」。
長寿国といわれる日本でも、リアルタイムで観た人はほとんどいないだろうというほど古く、モノクロを我慢できても映像も悪く、予備知識なしで観るとつまらなすぎて直ぐに意識が失くなります。(笑)
「ウィーン会議」や「メッテルニヒ」などネットで検索すると、興味あることがずらずら出てきて、時代背景を知って見直してみると、レンタルビデオの名画コーナーに置いてあるのがうなずけます。
この映画の公開後にヒトラーが首相になった (1933年) ドイツでは、制作当時ナチスの軍靴がそこまで響き、その後、主演のリリアン・ハーヴェイやら映画人の多くはドイツを見捨ててしまいました。

( カサブランカ / ドイツ軍少佐役 コンラート・ファイト )
メッテルニヒ宰相役だったコンラート・ファイトも出演後ドイツを脱出しましたが、彼の結婚相手はユダヤ人女性でした。
ファイトはその後、ハンフリー・ボガードの「カサブランカ」( 1942年 ) でボガードに撃ち殺されるゲシュタポのドイツ軍将校シュトラッサー役を演じましたが、その胸中はどのようなものだったのでしょう。
終戦後、映画の多くはナチスドイツを悪者に仕立て上げ、映画ファンはドイツが叩きのめされることを楽しみましたが、当のドイツ人はどういう思いで観てたのでしょう。ナチスの影がトラウマになってしまったドイツ映画は、その後、どうでもいい性教育映画とポルノを輸出しただけで、映画ファンは名作を見せてもらっていないのが残念です。
監督 エリック・シャレル
脚本 ロベルト・ソープマン / ノルベルト・ファルク
音楽 ヴェルナー・R・ハイマン
主演 リリアン・ハーヴェイ/ ヴィリー・フリッチェ
公開 1931年 ( ドイツ / ウーファ社 )
會議は踊る
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少年おやじ投稿日:2012-04-05 Thu

( ひまわり / 1970年 )
1934年イタリアのローマで生まれた私生児ソフィア・シコローネの妹マリア・シコローネの夫はロマーノ・ムッソリーニといい、その父は第二次世界大戦でイタリア兵士を極寒のロシア戦線に送り込んだ独裁者ベニート・ムッソリーニその人でした。
ソフィア・ローレン (本名ソフィア・シコローネ) 主演のイタリア映画の傑作「ひまわり」。公開から半世紀たった今でもここに描かれた戦争の悲劇は色褪せません。
手垢のつくほど評価されたこの名画、公開当時、電信柱の立て看板に描かれたソフィア・ローレンが妙に艶めかしかったのを覚えています。
1980年にリバイバル上映され、昨年秋にもニュー・プリント版が公開されました。
ソフィア・ローレンの一族が絡んだ歴史を知った上でまた観ると、感動もまた違ったものになります。映画とは、いったい何なんでしょう?
監督 ヴィットリオ・デ・シーカ
脚本 チェーザレ・ザヴァッティーニ他
音楽 ヘンリー・マンシーニ
出演 ソフィア・ローレン
マルチェロ・マストロヤンニ
公開 1970年3月14日
ひまわり
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"Love theme from SUNFLOWER / Henry Mancini" YouTube
少年おやじ投稿日:2012-03-24 Sat

( 自転車泥棒 / 1948年 )
彼岸になったというのになかなか暖かくなりません。
寒かった冬の間、夜になるとロクなテレビ番組がないので映画ばかりを観ていました。
「昔はよかった」
歳を取ると誰もがいう言葉ですが、こと映画の視聴環境についていえば、衛星放送やネットで昔の名作が配信され、近所のレンタルビデオへ行けば百円以下で借りられる現在……「昔はよくなかった」。(笑)
1950年代前後からの名作といわれる映画を片っ端から観ている中で、気になった作品の一つがイタリア映画の「自転車泥棒」(1948年)。
先の大戦でイタリアのムッソリーニが愛人と共に射殺され、逆さ吊りで戦争終結したのがこの映画公開の三年前。イタリアの戦後社会の貧困をテーマにしているだけに、内容は暗く、主人公の厳しい表情と思い詰めた心理状態は、愛くるしい子役がいなければ最後まで観ていられないほど息苦しい。
主人公の役者は、本物の町工場の労働者であり失業者だった無名の人間。
監督本人によれば、戦後の金のないイタリアではこのように実生活を再現するほかなかったとはいえ、イタリア人の有名な男優は、マルチェロ・マストロヤンニぐらいきり思い浮かばないのは何故なのだろう。
次は同じイタリア映画の「道」(フェリーニ監督)を観てみよう。なんたって、3回結婚して子供が13人いたアンソニー・クイン (メキシコ生まれのアメリカ人) が主演なのだから。
しかも13人目は、81歳の時に生まれたという……なにごとも人間、やればできる。(笑)
監督 ヴィットリオ・デ・シーカ
脚本 チェーザレ・ザヴァッティーニ 他
出演 ランベルト・マジョラーニ / エンツォ・スタヨーラ
公開 1948年11月24日
アカデミー外国語映画賞受賞
自転車泥棒
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少年おやじ投稿日:2009-12-27 Sun

衛星パンドラにやって来た車いす生活者のジェイク(サム・ワーシントン)は、遺伝子操作によって人間とナヴィ族の分身(アバター)に変化して惑星の奥へと入って行った。
惑星に棲む生物に襲われた彼は、ナヴィ族の王女(ゾーイ・サルダナ)に助けられる……しかもこれが立体映像。
昨日、話題の映画「アバター」を観てきました。あらすじだけ読むと、オイラが苦手なファンタジー活劇。しかし、そこはキャメロン監督。見せてくれます。
昔、雑誌の付録についてきた赤と青のメガネで見た飛び出す絵本と、ディズニーランドで飛んでくる鳥にのけぞっただけの3D体験しかないオイラにとって、三時間あまりの物語と映像美で作り出された3Dの世界は正直いって驚きました。
3D専用のカメラまで開発して撮った映像は、細部までもがていねいに作られていて違和感もなく、その上ナヴィ族の王女はなまめかしくてエロチック。
眼鏡使用のオイラにとって、メガネの上にかけたリアル3Dメガネは思っていたほど苦痛も感じませんでした。
われわれ凡人は、歴史を作ることはできなくとも歴史に立ち会うことは可能です。
監督 ジェームズ・キャメロン
脚本 ジェームズ・キャメロン
出演 サム・ワーシントン / シガニー・ウィーバー
音楽 ジェームズ・ホーナー
公開 2009年12月10日
AVATAR
少年おやじ投稿日:2009-06-16 Tue

( TERMINATOR 2
その日オイラは、大分県の別府駅近くにある映画館にいました。
前日朝早くに羽田を発ち、九州にある工場で会議を行なったあと、翌日の飛行機で東京に帰る予定でした。が、接近してきた台風の影響で羽田行きの全便が欠航してしまい、いつになったら飛行機が飛ぶのか分からない状況になりました。
宿泊していた旅館で朝食を食べるとすることもなくなり、別府駅周辺の繁華街でも散策しようと小雨まじりの強い風のなかを出かけました。
時間が早いこともあって駅前の店のほとんどは、シャッターが閉まり、時間を潰せるような場所もなく、そんな中、一軒の映画館を見つけ、これなら時間が潰せると思って入りました。
封切ったばかりのその映画は、第一回目の上映だったため館内の通路には打ち水もしてあり、だだっ広い館内の入場者は……たった一人オイラだけ。
この時オイラはシリーズの前作も見ておらず、上映されるニ作目の内容も知りません。上映前にトイレに行っておけば良かったかな、と思いながら始まった映画は「ターミネーター2」。
正直いって怖かった。
真っ暗な館内で見ている客はオイラ一人。感情移入すればするほど怖くなり、T-1000型ターミネーターが出てくるたびに周りを見回してはトイレも我慢して観続けました。
皆さんも機会があれば怖い映画は劇場で、たった一人で観てください。きっと、倍以上楽しめること請けあいです。
あれから、17年。
最新作「ターミネータ4」を観てきました。もちろん、今度はオイラ一人でなく、大勢の観客のいる中で。(笑)
もう、これは「ターミネーター」ではなく、マシンを相手の男くさい戦争映画。シュワちゃんも最後のほうに出てきますが、いとも簡単に殺られてしまいます。(笑)やっぱり、三匹もドジョウを釣ってしまうと四匹目は……。
サウンドと映像だけは……楽しめました。
監督 McG(マックジー)
脚本 ジョン・D・ブランケート他
出演 クリスチャン・ベール / サム・ワーシントン
音楽 ダニー・エルフマン
公開 2009年5月21日
ターミネーター 4
少年おやじ投稿日:2008-02-01 Fri

( ウッドストック / 1970年 )
ジョー・コッカーをご存知ですか?
当時高校生だったオイラは、夏休みに一本の映画を観に丸の内ピカデリーまで出かけました。それは、1969年ニューヨーク郊外で40万人の聴衆を集めた野外コンサートの記録映画「ウッドストック」。
マルチ分割の画面も斬新でしたが、ステージに上がったイギリスの配管工にオイラは魅せられてしまいました。
絞って染めたTシャツにブーツカットのジーンズ。星条旗を描いた靴を履き、ヨタヨタしたステップを踏みながらしわがれた声をふり絞るように歌っていたのがジョー・コッカー。
星条旗をプリントしたギターや衣裳ならともかく、彼の靴には星条旗が描かれていました。
帰宅後、オイラもシャツを自分で染め、ついでに指先まで染めてしまい数日間家から出られませんでした。その夏は、絞り染めのTシャツが流行りましたが、着ている若者の指先が青かったのは気のせいではありません。
監督 マイケル・ウォドレー
出演 ジミ・ヘンドリックス
サンタナ
ジャニス・ジョップリン
ジョー・コッカー
ジョーン・バエズ 他
公開 1970年3月26日
ウッドストック
"With a Little Help From My Friends / Joe Cocker" / YouTube